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お宮参りの産着の柄に込められた思いとは。

執筆者 | 2023年8月8日 | お宮参り, ブログ

こんにちは。西武写真館 渡邉写真社です。

先日の記事に引き続きお宮参りの着物について。

お宮参りの着物(産着)の柄、ひとつひとつに込められた意味についてご紹介します。

お子さまの着物選びの際の参考にしてみてください。

「兜」の柄

大切な頭を守る兜は、邪気や災難から男の子を守ってくれるという意味があります。

着物に描かれた兜の豪華な飾りは、権威と高い地位の象徴であり、男の子の成長を願うお守りとしての役目もあります。

「龍」の柄

縁起物として知られる龍は、想像上の生き物ですが古来中国ではすべての生き物の祖とされていました。

龍を使った柄には、円形をベースにした丸龍、巻龍、角形の角龍、升龍、菱形、そのほか馬蹄形、木瓜枠にあらわされたもの、向き合った二つの龍を配した双龍文など、さまざまなものがあります。

また、辰年生まれの男の子に縁起物としても選ばれることも多い柄です。

 

「巴太鼓」の柄

巴(ともえ)とは、沸いた水が渦になって外の方へ回るようなかたちを円形に配した文様です。

太鼓の面に描かれることが多く、太鼓の音が「よく鳴る」と物事が「よく成る」をかけて、縁起の良い柄として描かれます。

「宝船」の柄

米俵や金銀、珊瑚などの宝物を積んだ帆掛け船で、新たな旅立ちや門出を意味しています。

たくさんの積み荷は、一生ものに困らないように…との願いが込められています。

のちに、七福神を乗せた柄も描かれるようになりました

「虎」の柄

虎が吠える姿(虎嘯)は出世を意味します。

虎のように強く、たくましい子に育って欲しいと願いが込められています。

中国では、虎は竹林に棲むと考えられており、竹と一緒に描かれることが多いようです。

 

「鼓」の柄

古典楽器の鼓をモチーフにした文様です。

王朝文様といわれる、雅な平安貴族への憧れから描かれた文様のひとつでもあり、典雅な雰囲気があります。

音が「よく鳴る」と物事が「よく成る」をかけて、女の子の美しい成長に願いを込めたと考えられます。

「毬」の柄

平安時代に流行した蹴鞠(けまり)が貴族の遊びだったこともあり、美しい毬は高貴さと気品を表します。

また、丸い毬には、「何事も丸く収まりますように」「丸々と健やかに成長しますように」という願いが込められています。

さらに、毬は子どもが遊ぶものであることから、子どもが寂しくないようにお守り代わりという意味あいもあります。

 

「熨斗(のし)・束ね熨斗」の柄

多くの熨斗を束ねた束ね熨斗は、人と人とのご縁や絆に恵まれることを表しています。

周囲の人たちからたくさんの祝福を受け、幸せを分かち合って欲しいという願いが込められています。

この柄は男女どちらにも使われてきました。

 

「糸巻き」の柄

糸を巻き付ける器具を意匠化した文様で、糸を繰るのも縫うのも女性の大事な仕事だったことから、女児や女性の着物に多く描かれます。

糸巻きから長く伸びる糸の途切れない様子から、長寿や子孫繁栄を意味していると言われます。

 

「御所車、花車」の柄

よくある御所車は皇族や貴族の乗り物だった牛車で「玉の輿に乗れますように」との願いを込めたものです。

この御所車に花を飾ったのが花車で、牡丹や菊、桜など四季折々の花々は、多くの人々の祝意を表しています。

女の子の美しい成長と人々からの祝福を願う気持ちが込められています。

 

このように、お着物の柄には古来より大切な意味が込められ描かれています。

その意味合いをお子様の産着選びにいかしていただくのも良いと思います。