こんにちは。
西武写真館 渡邉写真社です。
成人式に向けて着々と準備を進めている方も多いと思いますが、振袖を選ぶ時に何を基準に選びますか?
価格はもちろんですが、好きな色や、好みの柄など全体のバランスを見つつ、自分の気の入ったものを選びたいと思いますよね。
一世一代の大イベントです。綺麗に着飾り友人達と楽しい思い出をたくさん作りたいものです。
今回振袖を選ぶ上で、重要になってくる色について説明していきたいと思います。
意味を理解すると、振袖選びの基準が変わるかも!?是非参考にしてみてくださいね!
振袖はもともと、「長着(ながぎ)」と呼ばれ、足のくるぶしぐらいまでの長さで、袖が長いものを「振袖」と呼んでいました。
鎌倉時代にすでに振袖が着用されていて、江戸時代に入ってから流行したものとされていますが、まだその頃は、幼い男の子と女性だけが着ていたようです。
振袖の袖の内側が大きくあけられている理由は、熱がこもるのを外に逃がすためと言われています。
本来なら、18歳を迎えた時点で、袖を切る「留袖」にしていました。
経済が安定した頃になると、女性の花嫁修業の一貫として日舞を習わせる家庭が増えていきます。
袖が長いほうが、女性の舞う姿が美しく見えるとされていました。
しかし、1800年代には18歳を超える女性でも振袖を着用するようになり、本来の着用の意味があいまいになっていったことから、振袖を「未婚女性の第一礼装」、留袖を「既婚女性の第一礼装」にしたというわけですね。
それでは色の意味から振袖を知っていきましょう。
神聖な色とされている色に赤・青・黒・白があります。
4色とも全く異なる色合いながら、共通して「神秘的な色」という意味が込められています。
これは古代、日本の色がこの4色から始まったとされているところからきています。
太陽の日の出の色を赤、太陽が空高くに上って、ものが良く見えるようになる頃を白、日が傾き沈んでしまうと黒、夜明けから日の出までの漠然とした色を青と、太陽の光の状態から色は始まったのです。
そのため、この4色には共通して神秘的な意味が込められていました。
江戸時代、病気の子供には「赤色の寝間着を着せて回復を願う」習慣があったことから、振袖で一番人気の赤には魔除けの意味があります。
青も同じく、悪霊から身を守る神秘的な意味合いから、宮中の神事用の衣服に青を使用していました。
また、紺によく似た「褐(かち色)」は「勝色」とかけて、武士の生死をかけた重要な色とされ、鎌倉時代の武士に愛好された色であり、明治時代以降も軍国色として使用されていました。
黒には、神の色と境界の色としての意味が含まれています。
日本最古の鳥居を構える京都・野宮神社は、黒い鳥居で有名です。
白も、青と同じく穢れや悪霊を払う色として、神事の衣服に使用されています。
産所と喪服の両方に使用していたことから、白は生と死の対象的な概念を同時に表現できる色でもありました。
その他、桃色は恋の予感が表現したされ、緑は癒しの調和とされるいろなど、1つ1つの振袖の色には、意味があることを知ると、少し見方も変わってきませんか?
古代から自然と共に生きてきた日本人は、自然の中から色を生み出し、それぞれに意味を見出して生きてきたのです。
是非、振袖選びの参考にされてください。