七五三シーズンがあと少しでやってきますね。
渡邉写真社です。
まだまだ暑いですが 今は、少しずつ前撮りや内覧が増えております。
さて、七五三の際に着るお母様のお着物。
訪問着とは違う付け下げにつていお伝えしていきたいと思います。
付け下げとは訪問着を模してつくられた着物のことです。
訪問着と比べると模様が少ないことが特徴です。
多く、反物の状態で染色され、そのまま店頭に並んでいます。
付け下げの歴史はまだまだ新しく、20世紀前半に生まれたばかりの新しい着物です。
小紋をつくる手法があるのですが、その発展形が付け下げです。
反物を裁断した際に模様の上下が統一されるように反物に模様を描く。
その技術の発展により小紋よりもより華やかな和服がつくられるようになりました。
この和服が、付け下げです。
では、付け下げと訪問着はどう違うのでしょうか。
縫い目をまたぐように柄がすべてつながっているものが、「訪問着」。
つながらないものが、「付け下げ」です。
近代になってから生まれたのですが、その誕生のきっかけは、豪華ではない訪問着をつくることでした。
戦時中は、まだ現代のように洋服を着る文化ではなく多くの方が和服で生活をしていました。
戦時中、質素倹約が尊いとされ、金や銀の糸で作られた豪華な訪問着の使用は良しとされませんでした。
ただ、訪問着は正装ですので着る必要のある行事はあります。
そこで身に着けるための豪華でない訪問着。
それが付け下げだったのですね。
訪問着が正装であるのに対し、付け下げはセミフォーマル、そのなかでもとりわけカジュアルに近い立ち位置です。
かしこまりすぎずに着こなすことができますので、様々な場所に着て出かけることが可能になります。
お母様が七五三に着ていく着物としては、
・訪問着もしくは付け下げ
・色無地
・紋は、江戸小紋が無難
であると言われることが多いです。
具体的にいうと上記のようになりますが、つまり主役である子どもより目立つことのない服装をするようにということなのです。
絶対に付け下げでなければならないという決まりがあるわけではないのでこだわる必要はありません。
ただ、このような内容を知っているのか知っていないのかで着物のチョイスも変わってきますので、知識として知っておくと便利ですね。